【中学受験】早生まれが不利な理由【挽回の方法はある?】
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早生まれの子って中学受験に不利って聞いたけれど本当?うちの子は早生まれだから不安・・・。

本記事では、このような疑問についてお答えしていきます。

小学校受験では早生まれとそうでない子との差を配慮する小学校も多いのですが、中学受験ではそのような差をつけてくれる中学校はないですよね。

12年間生きてきたら何月に生まれても大して差はないだろうと思う人もいるかもしれませんが、残念ながら中学受験も早生まれは不利です。

そこで今回は、「早生まれが中学受験に不利な理由」に加え、「早生まれが中学受験で挽回する方法」を紹介。

早生まれが学業に不利な理由を把握しその対策を知ることで、少しでも月齢差を埋めることができるはずです。

本記事の内容

  • 早生まれが中学受験に不利な理由
  • 早生まれが中学受験で挽回する方法

今回は、誕生日と学業成績に関する論文に加え、早生まれの子の中学受験体験談をもとに解説していきます。


早生まれが中学受験に不利な理由

早生まれが中学受験に不利な理由

早生まれが中学受験に不利な理由は主に2つ。

  • 小学生になっても実質1年の差の影響は大きいから
  • 低年齢時に取った成績が高学年になっても影響を与えるから

誕生月が4月だから得とか3月だから損とか、我が子の大事な誕生日をそんなふうに思いたくはありませんが、学業(あるいは運動)において、ある程度実力差が出てしまうという事実は把握しておいた方がベター

なぜなら、「早生まれが中学受験に不利」という事実を把握していれば、中学受験に対する効果的な対策や子供と親のメンタルのコントロールも可能になるからです。

小学生になっても実質1年の差の影響は大きい

小学生になっても実質1年の差の影響は大きい

小6(12歳)時点で4/1生まれの子(早生まれ)が4/2の子に追いつくには、小1から小6までの間で1年につき2ヶ月分の遅れを取り戻す必要がある

4/2生まれの子と4/1生まれの子(早生まれ)が、幼少期は同じペースで知識や学力を身につけていくとすると、4/1生まれの子が小1から小6までの間に365日の差を埋めるには、各学年で365(日)÷6(学年)=60.8日分の勉強を4/2生まれの子より多くする必要があります。(個人差を考慮しない単純計算の場合。)

小学校や塾の授業は一律同じペースで受けるのでここまでの差は開かないかもしれませんが、小6時点での1年の実年齢の差は何もせずに消失するとは考えづらいです。

低年齢時に取った成績が高学年になっても影響を与える

低年齢時に取った成績が高学年になっても影響を与える

小学校入学前の保育園や幼稚園で、早生まれの子と遅生まれの子が同じ教材に取り組んだとすると、遅生まれの子の方が達成度が高いことが多く褒められる機会が多いので、それが小学生以降の自己肯定感とやる気につながる

小学校受験では実年齢差を考慮する小学校が多いことからもわかるとおり、小1前後の時点では、まだはっきりと学力や知識、精神年齢に差が出ることが多々あります。

そこで、遅生まれの子(特に誕生日が4/2〜8月くらいまでの子)は、出来ることが多いので幼少期に褒められることも多く、それが小学校入学以降の自信につながることも。

あおいあおい

褒めて自己肯定感を高めることは受験に限らず、人生においてもとても大事なこと。今からでも遅くないので、周りの子と比較して出来ない点を指摘するのではなく、出来た点を褒めてあげよう。

誕生日と学業成績に関する論文

誕生日と学業成績に関する論文

4月生まれの国私立中学校在学比率は日本全国で7%であるにもかかわらず、3月生まれの数字は4%である。また国私立中学校に通う者の生まれ月の分布は明らかに遅生まれに偏っており、ほぼ一様分布に従っている公立中学校在学者の生まれ月の分布と対照を成している。という調査結果がある。

2007年の研究論文ですが、一橋大学の准教授が「誕生日は学業成績、そして最終学歴に影響を与える」という内容を書いており、中学受験をして国私立中学に入った子の中で、早生まれは少ないという結果が出ています。

ただ、決して※早生まれの児童・生徒の知的能力が劣るわけではなく、幼少期の些細な成績の違いによって勉強ができる、できないという決めつけを行うことに警鐘を鳴らしているということなので、不必要な不安は抱く必要はありません

※出典:川口大司・森啓明 日本労働研究雑誌 No.569「誕生日と学業成績・最終学歴

早生まれの中学受験体験談

早生まれの中学受験体験談

では、早生まれの子が中学受験で合格できないかというと、もちろんそんなことはありません。

多少なりとも遅生まれの子より不利なのは事実ですが、4月生まれでも成長ペースが遅い子も一定数いますし、小学校中〜高学年の追い上げで遅生まれの子に並ぶことは可能

ここで、ママ友の子供や塾の教え子の「早生まれで中学受験に挑んだ体験談」を3つを紹介します。

2/3生まれの女の子のケース

小3時点:四谷大塚偏差値53
受験直前:四谷大塚偏差値61
四谷大塚偏差値63の第1志望校合格

小学校1年生から通信教育などでコツコツ受験の準備をしてきたそうですが、それでも小3時点では塾の真ん中より少し上のクラスでした。

成績が伸びたと感じたのは小5の秋以降。親はとにかく「出来た点を褒め、子供に精神的な負担をかけないようにする」ことを意識したそうです。

2/18生まれの女の子のケース

小4時点:四谷大塚偏差値44
受験直前:四谷大塚偏差値52
四谷大塚偏差値51の第1志望校合格

小4の春にサピックスに入塾し、真ん中より下のクラスからスタート。

小5の時点で本人が行きたいと思える中学校に受験を決めたので、小5から小6の間は自分の目標に向かって勉強を進めることができたのが良かったとのこと。

3/12生まれの男の子のケース

小4時点:四谷大塚偏差値49
受験直前:四谷大塚偏差値59
四谷大塚偏差値60の第2志望校合格

惜しくも第1志望校には合格できませんでしたが、第1志望校と同じくらい行きたかった私立中学校に合格できました。

小6の春時点で偏差値52程度だったそうですが、親や塾の先生が驚くほど夏以降に追い上げたとのこと。お風呂などの隙間時間を利用して、少しでも勉強の時間を確保していた努力が結果につながりました。

早生まれが中学受験の勉強で挽回する方法

早生まれが中学受験の勉強で挽回する方法

早生まれが中学受験に不利と言っても、もちろん早生まれの子の受験成功例はたくさんあるので、無駄な心配は不要。

ここでは、早生まれの子が中学受験で遅生まれの子に追いつく方法を紹介します。

もちろんこれは早生まれの子に限らず有効な手段ですが、特に早生まれの子を持つご両親は意識して取り入れるべき内容かと思います。

他の子より早く中学受験の勉強をスタートさせる

他の子より早く中学受験の勉強をスタートさせる

実年齢差を埋めるには、やはり他の子より早くから中学受験の勉強を始めるのが効果的です。

できれば小学校1年生から通信教育やくもんなどで基礎力をしっかりつけることが大事。

低学年から勉強する姿勢を身につけることができれば、中学年や高学年になっても苦労せず勉強が進む子は多いです。

短い時間で効率よく勉強する

短い時間で効率よく勉強する

たとえば、通信教育のスタディサプリは15分程度で1授業を受けることが可能

通塾中の電車内やお風呂などで視聴することもできるので、そうした隙間時間を利用して勉強を進めることもできます。

ダラダラと長い時間勉強してあまり身にならないよりは、短時間でも集中できる教材を取り入れるべきです。

関連記事:スタディサプリが中学受験に使える理由【口コミあり】

小6の夏〜秋以降に伸びるように子供の気持ちを安定させる

秋以降に伸びるように子供の気持ちを安定させる

早生まれの子は成長スピードも約1年遅れなので、小6の夏から秋以降にぐんと成績が伸びた、というような話もよく聞きます。

どんな子でもコツコツ勉強すれば必ず伸びる時期があるので、なかなか成績が上がらないと思っても親は焦らず、お子さんを信じてあげましょう。

プレシャーをかけすぎず、褒めるところはしっかり褒めて自己肯定感を高めてあげれば、子供のメンタルは落ち着いてくるので、実力を発揮しやすいです。

「【中学受験】早生まれが不利な理由(挽回の方法はある?)」まとめ

「【中学受験】早生まれが不利な理由(挽回の方法はある?)」まとめ

お子さんが早生まれで中学受験に不安を感じている方は一定数いますが、早生まれだからこそ期待できる伸びしろがあるのも確かです。

今は安くて効率よく勉強できる教材や通信教育がたくさんあるので、お子さんに合ったものを利用してみるのも手。

また、小さいことでも良いので、子供の「勝ち体験」(「算数の計算プリントで100点を取った」とか「漢字の問題集を1冊終わらせた」とか何でもOK)を増やしてあげることが、子供に自信を持たせ、受験へのモチベーションを保つ秘訣になります。

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